Pages

2014年2月26日水曜日

社会起業家になりたいと思ってた僕がぶち当たった壁




僕が『社会起業家』という言葉を知ったのは、大学生のとき。

「未来を変える80人 僕らが出会った社会起業家」を読んだときだった。

でも、そこに掲載されていたのは海外の人ばかり。(日本人は1人だけ)

羨ましいとは思ったけど、そんな仕事が日本で出来るとは思わなかった。

そこから数年がたち、週刊ダイヤモンドで『社会起業家』特集の雑誌をたまたま本屋で見かけた。



掲載されていた中で、大学生が高校生と語り合うカタリバという活動を見て、「これがやりたいんだよっ!」と思って、次の日に会社を辞めた。




今の団体を立ち上げてもうすぐ5年。

日々、もがきながら新しい発見に一喜一憂する日々だ。

今年に入り、団体としてとても大きなブレークスルーを経験したのでそのことについて書きたい。


社会を変えたいのか?社会によさそうなことをしたいのか?



社会起業塾やNPOの中間支援組織をサポートしている川北秀人さんの口癖。

僕は「社会を変えたい」と思って、この世界に入った。

けれど、社会を変えるのは簡単じゃなかった。(当たり前...)

学生のときにこの団体を立ち上げた。

そのときに、真っ先にぶつかった壁は「なにをしたいのかわからない」だった。

夢を持てない社会。夢を否定する大人。

そんなのがイヤで、「子どもたちみんなが夢を持てればどんなステキな社会になるだろう」なんて思ってたけど、「どうして、夢が必要なの?」「夢が叶わないときはどうするの?」と聞かれると、答えに窮した。

そのときの僕たちは、" Want "で動いていた。

自分たちがやりたいことをしたいだけだった。

それはただの自己満足で、" Want "を " Needs "にしていかないと、社会を変えられる組織には到底なれない。

「社会にとって、僕たちの団体はどうして必要なのか?」
「僕たちは、なにに問題意識を抱いているのか?」

考え、話し、統計を調べ、ヒヤリングをし、仮説を立て、また考える。

この繰り返し。

その中でピンと来たのが、自尊感情(自己肯定感)だった。

自分に自信を持てていないことにより、ドロップアウトしたり、がんばりたくても頑張れなくて苦しんでいる子がいる。

この問題に取り組もうと思い、法人化を視野に入れて動いていった。


どうやって解決するのか?




自尊感情というのは、主観。

たとえばアンケートで「自分のことが好きですか?」という問いを課して、その結果をみて自尊感情をはかる。

けれど、前日に友達とケンカしたとか、テストの点数が悪かったとかいう外部要因で簡単にこの数字は上下する。

どうやって、自尊感情を高めていくのか、どのように事業としていくのかをずっと考えていた。

調べていく中で、自尊感情を高めることに効果的な手段は2つだと気がついた。

出来たという「成功体験」と、自分のことを認めてくれる人がいる「承認空間」だ。

これらを満たす方法をいろいろ考え、こどもしゅっぱん社という事業に行き着いた。

雑誌を作る過程でいろいろな大人に出会い、小さな出来たを重ねていく教室。

そろそろ2年がたつ。

思っていた以上に子どもたちは成長している。

けれど、僕の中にはずっとモヤモヤがあった。

「社会を変えたい」と思って、団体を立ち上げた。

しかし、こどもしゅっぱん社では社会を変えることはほぼ不可能。

収益面、コスト面から判断しても、この事業を拡大することは厳しいし、手間がかかりすぎるので、多くの子どもたちに届けることが出来ない。

どうやって社会を変えていくのかがわからず、ただただ目の前にある仕事に取り組むことで考えることから逃げていた。

そんなときに、大きな転機がやってきた。   (つづく)








0 件のコメント:

コメントを投稿